大人の精神分析的心理療法と子どもの精神分析的心理療法
- silayaoweb

- 2 日前
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更新日:5 時間前
子どもの心理相談室で女性の大人の方の心理療法を受け付けていることについて
心理療法は子どもと大人と違うんじゃないのかなぁと、ご不安に思われる方もおられるかもしれません。
ご存知のように精神分析はフロイトという人が創始しました。子どもの心理療法の論文はフロイトも書いています。フロイトの知見に沿ってクラインという人が、子どもとの心理療法で遊びを注意深く観察することで、言葉の少ない幼児が、いかに自分のこころを表現し、どのようにこころが発達してゆくかを見出しました。この知見は、子どもの心理療法だけでなく大人の心理療法にも大きく影響しました。その後の多くの精神分析家によって議論がなされ理論が組み立てられて、現代の精神分析の理論や技法が発展してきています。
また、ビックという人が創始した「乳児観察」という技法で言葉を持たない赤ちゃんを観察することで、赤ちゃんがあらゆる方法で周りの人と関係を取り、気持ちを伝えようとしていることも分かってきました。
*「乳児観察」は、こころで赤ちゃんが伝えているものを聞いたり観察する訓練の一つになっています。
すなわち、言葉を持たなくても遊びをはじめとしたさまざまな表現で、乳幼児はこころの何かを伝えようとしていて、そこには他人との関係の中でこころを通した他人との関係の中で何かが行き交っているのです。この行き交っているものをセラピストが考え、理解しやすい形にして伝え返してもらったり、一緒に考えたりすることで、こころをゆっくりと成長させていくことが精神分析的心理療法が目的としているものです。
大人もかつては子どもでした。大人の方は主に言葉によって表現されるのですが、時にはお話をされないこともあります。また、その他の言葉ではない交流もあります。それらを心で聞いたり感じ取って、二人の間で現れているものや、その意味について話し合ったり一緒に考えたりしていきます。時には、大人の方がお話しされているようで、その方のこころの中の子どもの部分がお話しされているように思えることもあります。このようにお話をお聞きすることに留まらず、こころを使って言葉にはなっていないものを観察しながら進めていくことで、その方のこころの物語を紡いてゆきます。長い人生経験の積み重ねは、大人になった今の人間関係や子育てなどに、フッと顔を覗かせて少なからず影響を与えているものです。こころに浮かぶものを自由に話してもらいながら、これまでどのようにこころが育ってきたか、人間関係やものごとに関してどのような雛形がこころにあるのか、それらがどのように今の経験に影響しているのかなどを話し合っていきます。そうすることによって、大きくこれまでの経験や雛形に影響されることなく、こころ健やかに楽に生きていけるようにこころの変化を促していきます。
このように子どもの心理療法と大人の心理療法は、媒介とするもの(遊びであったり、言葉であったり)の違いがありますが、同じような営みで進められてゆきます。子どものこころの成長を生き生きと感じ取ってきた子どもとの心理療法の経験は、大いに大人の方のこころの理解に役立っていると考えています。
精神分析的心理療法のプロセスの間には、楽になる時もあれば、辛い時もありますが、喜びも辛さも半分こしながら一緒に考えていきたいと考えています。
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