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お梅は呪いたい・お梅は次こそ呪いたい(藤崎翔 著 2024 祥伝社文庫)

  • silayaoweb
  • 1月24日
  • 読了時間: 2分

とても痛快で面白い。太鼓判🥁

小学校高学年の皆さんから、楽しく読めると思います。

呪い殺したいという強いネガティブな気持ちが、転じて、相手を幸せにしてしまう…

腹立ち、妬み、自暴自棄、自虐的な酷い落ち込み、何とも思わなさ…。などなど強いネガティブな気持ちが、こんなふうに他人を幸せにできたら素敵だと思いました。何より、自分のそういった苦しい気持ちから解放されるのですから…

それから、興味深いポイントがあります。

お梅の呪い殺したい相手を探す恐ろしい気持ちが、強いネガティブな気持ちを持った人に、共鳴し合ってか拾われていきます。するとお梅は呪い始めるのですが、拾った人は偶然にもうまくいき始めます。最初「気持ち悪い」と感じていたお梅を幸せをもたらしてくれる人形ではないかと思い始めます。話しかけたり、感謝したり。自分のネガティブな気持ちをお梅の中に見ていた拾った人が、今度は自分の明るい前向きな気持ちをお梅中に見始めます。そして、すっかり上手くいって明るい気持ちで生きられるようになると、お梅のことを忘れてしまう、或いは手放せるようになります。これはまるで、幼い子どもが養育者の代わりにぬいぐるみやブランケットを常に持っていたのが、こころの中の養育者がしっかりと育つと、それらのものを忘れ去ってしまうのと同じようです。

子どもの心理療法もまた、子どものこころの中に何らかの理由で育ちきれなかった安心感安全感がしっかりと育ち、心理療法を去っていけるよう援助していきます。

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