九月花形歌舞伎 あらしのよるに(今井豊茂脚本 藤間勘十郎演出振付)
絵本「あらしのよるに」(きむらゆういち作 あべ弘士絵)が刊行されて30周年を記念して、南座で上演されています。とても感動的な歌舞伎でした。今の世界に生きる多くの人に鑑賞してもらいたいと思いました。
敵を作り戦うことで大切なことを考えないようにする集団心性。思春期の子どもたちにもみられます。グループをつくり、他のグループと戦う。あるいは、グループの中でも戦う。思春期の、子どもの自分にお別れして大人の自分を見つけていく悲しくも寂しい苦しい気持ち、第二次性徴による性衝動の衝撃とコントロール、そして勉強…思春期には難しい課題が山積みです。友情と信頼、そして優しい心があれば、乗り越えていけると、この物語は教えてくれているように思います。
今の大人の世界もそうかもしれません。
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